ワコムfeelペンの最低筆圧・筆圧曲線を調整できるソフト「Tablet Pressure Curve Tool」の使い方の簡単な解説


ASUS VivoTab Note 8や東芝 dynabook RZ82、DELL Venue 8 Pro 5855などに採用されているWacom feel IT Technologiesペンのドライバでは、大ざっぱに硬さ・柔らかさを選べるのみとなっており、Intuos ProやCintiqなどに採用されているプロペンのドライバのように筆圧曲線を手動で細かく調節することができません。※旧バージョン(2014年頃)のドライバでは筆圧曲線を調整できたのですが、最近のバージョンではできなくなりました。

GUIが用意されてないだけで設定値はあるので、設定ファイルをテキストエディタで編集するとプロペン同様に変更できますが、膨大な設定値のどこを弄ればよいかも分かりづらいし、数字だけで調節するのも難しいです。 Tablet Pressure Curve Toolは、そんな筆圧曲線をグラフィカルに調整可能とするツールです。ただしそのまま使うと変更が反映されないので、使い方を解説します。

ツールのダウンロード先

Tablet Pressure Curve Tool | Secret Laboratory

2016年5月現在の最新版はversion 2.1 (2015年9月30日) でした。「Windows 64-bit」、「Windows 32-bit」、「OSX (experimental)」の3種類があるので、使用しているOSに合わせてダウンロードします。

そもそも筆圧曲線とは何ぞや

筆圧曲線とは、ペンから入力された筆圧データを、アプリなどにどう渡すかを調整するものです。ワコムペンアプリからペンの柔らかさを変えるときも、実態としてはこの筆圧曲線が変わります。またCLIP STUDIO PAINTでは、自分のストロークの強弱から自動でちょうどいいカーブを算出してくれる「筆圧の自動調整」という機能があったりします。

Tablet Pressure Curve Toolで表示した筆圧曲線です。縦がペンの筆圧、横が出力値。プロペンやCLIP STUDIO PAINTの筆圧曲線とは縦横が逆なので注意。

これを外側(左上向き)にカーブさせると、入力された圧力に対してアプリに出る筆圧が小さくなります。ブラシサイズなどが大きくなりにくくなるということです。内側(右下向き)だと逆になります。そして筆圧が1以上のポイントでの出力を0にすると、筆圧の下限が切られるようになります。ある程度の筆圧があってもゼロ(無入力)と見なすようになるんですね。なので、On荷重が軽すぎて触れてないのにクリックが発生するようなときは下限を上げると動作が改善します。

具体的にはこんな風にします。これは分かりやすさのための極端な例なので、実際には自分のちょうどいいところを探して設定するといいでしょう。

東芝 dynabook RZ82 + Bamboo Smart CS310UKの組み合わせでは、筆圧が過敏すぎて触れてないのにクリックが発生する現象がよく発生するので(個体差かも)、こういうときに最小筆圧の設定ができると快適になります。※ワコムペンアプリの設定で標準より「硬い」側に設定したときも、少しだけ下限が切られます。

筆圧感知が2048段階もあっても意味ないと言われることもたまにありますが、筆圧曲線の設定によって自分が発揮する筆圧範囲だけに絞って使えるように遊びを持たせていると言えるのではないか。と今思いました。

Tablet Pressure Curve Toolを使う

前置きが長くなりましたが、いよいよツールの使い方です。

起動時の画面の設定項目

  • Wacom family:デジタイザの種類を選択します。Wacom feel ITペンの場合はTablet PC。Auto-detect(自動検出)で選択されるので、通常はそのまま設定すればいいです。
  • Tablet:Wacom Device固定。
  • Pen:tip(ペン先)とeraser(消しゴム)から選択。ペン先と消しゴムの筆圧曲線を個別に調整できます。

筆圧曲線を設定する

好きに筆圧曲線を設定します。

メニューのAdvanced - Maintain linear curve(線形曲線を維持する)にチェックを入れると、カーブがなくなり常に直線になります。

好みの曲線ができたらApply Changes(更新)ボタンを押すと、コマンドプロンプトが立ち上がり、サービスを停止→再起動します と表示されます……が、実際にはこのアプリ経由ではサービス停止はできていないようで、設定が反映されません。あらかじめサービス停止しておくと設定が反映されます。

サービス停止の方法

サービスの管理コンソールを開きます。開き方はいくつかあるのですが、やりやすいやり方を選んでください。

「Win+X」キーを押すかWindowsボタンを右クリックしてメニューを表示し、「コンピューターの管理」を選択する。または、エクスプローラの「PC」を右クリックして、「管理」を選択する。すると、コンピューターの管理画面が表示されます。コンピューターの管理画面で、左側にある「サービスとアプリケーション」の下の「サービス」をクリックすると、サービスの一覧が表示されます。

ファイル名を指定して実行(Win+R)またはCortanaに「services.msc」と入力して、直接サービスの管理コンソールを起動させることもできます。

「Wacom ISD Service」を選択し、「サービスの停止」を実行します。この手順後にTablet Pressure Curve ToolでApply Changesすると設定が反映されます。

Apply Changesしたときに、コマンドプロンプトがこのような表示になればOK。

おまけ:設定ファイルの手編集の仕方

ツールに頼らず手で編集したいという豪の者向けに、設定ファイルの手編集の仕方も記載しておきます。まず設定ファイルは個人フォルダの中に入っています。この個人フォルダは通常見えない状態とされていますが、アドレスを直接打ち込むとフォルダに入ることができます。設定ファイルのパスは下記のとおり。

C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\WTablet\ISD_Tablet.dat

設定ファイルはXMLで定義されているので、テキストエディタで編集可能です。各パラメータが意味するところについては解説しない(できない)ので、弄りたい方は自分で調べてどうぞ。

設定ファイルはワコムペンドライバのサービス(Wacom ISD Service)が起動しているときはロックされているので、編集するときはサービスを停止します。編集が終わったら、サービスを再起動すると設定が反映されます。

※設定ファイルを編集するときは、万一破壊してしまったときのためにバックアップを取りましょう。(最悪ダメになってもドライバの再インストールで何とかなりますが)